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人の価値も ファイナンス的に PV = CF / r で → 【書評】『私はいくら?』(野口真人著)

 

さて、今回はこちらの本。

 

私はいくら?

私はいくら?

 

 

「私はいくら?」という少し変なタイトルな気がしますが、この本はファイナンスの理論を人材開発に落とし込んだ内容。

 

つまり、「私の(時価総額は)いくら?」とか「私の(現在価値)はいくら?」ということです。

 

 

企業やプロジェクトなどの現在価値を求める式

PV = CF(キャッシュフロー) / r(割引率) 

を人にもあてはめた内容の本です。

 

ちなみに、この方はグロービスマネジメントスクールでファイナンスの教員をされている方。

残念ながらクラスを受講したことがないので、直接の面識はないのですが、「パンダをいくらで買いますか?」の本で有名な方です。

 

パンダをいくらで買いますか?

パンダをいくらで買いますか?

 

  

この本について話をしたいことは2点。

1:ファイナンス的素養が重要な時代になっている。

2:CF / r の両方を意識して自分自身の現在価値を上げよう

ということです。

 


1:ファイナンス的素養が重要な時代になっている。

まず、今の時代・もしくはこれからの時代、ファイナンス的な素養は必要不可欠なものだと言えます。

 

例によって自分のツイートですが、

 

 

と、考えています。

 

 ・エンジニアリング的素養

・マーケティング的素養

・ファイナンス的素養

・人間的素養

の4つ。

 

この中でどれが最も重要といわれると結構困るのだが、 ファイナンス的素養というのが重要なことは確かだと思う。

 

なぜ重要なのかというのがあまり言語化できていなかったんだけど、ようはファイナンスてきなものの考え方ができるか、PVを意識して仕事ができるかということかと。

 

2: CF/ r を意識して自分の現在価値を上げよう 

CF / r の両方を意識して自分の現在価値を上げる

CF・・ 自分は会社に対してどれだけキャッシュを残すことができるの? 

r・・     自分はどれだけ信用があるの?

 

ということです。


キャッシュフローの話はとても単純なのですが、おもしろいのが割引率のくだり。

人の割引率 = リスクを信用と置き換えています。

 

こういう考え方ははじめてであったのでとても興味深い。

 

割引率とは要するにキャッシュフローのリスクのことですが、これを個人に当てはめると信用にあたる。

例えば、所属している会社が潰れても個人に信用があれば、次が見つかる(はず)。


そういう意味で割引率=信用というのは今の時代っぽいなぁと思いました。

 

個人の評価をファイナンス的に行うというのはあまり馴染みがないと思いますがとても妥当な考え方だと思いました。


【余談】

ここからは余談ですが、「なぜ数学を勉強しなきゃいけないの?」と子どもに聞かれたら、「ファイナンス的な素養を理解できるようにする為」と答えると思います。


高校の数学とかって社会で役立つの?論は昔からありますが、数字的な素養を育てるのは確実に必要だと思います。


ファイナンス的なものの考え方ができるかというのはその人の数字への抵抗のなさがある程度影響してくると思うので、子どものころに徹底的に数字と格闘しておくのは意味があると思う今日この頃です。