ROAをWACCよりも高めよ → 【書評】『よくわかるROE経営』
今日はこちらの本。
「ROEとは何か」というレベルから、ROE重視経営が流行った背景となった「伊藤レポート」について、「良いROEの上げ方・悪いROEの上げ方」、そしてEVAにいたるまで・・
これ一冊理解したらROEに関しては全部わかったといってもいいようなレベルの本です。
ROEの正しい上げ方は、ROAを上げること
ほぼ本書の主張はこれにつきる。
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経営指標的には「ROAを高めたうえでROEを上げる」ということです。安定した経営をしたいならば、まずROAを高めることが大切です。
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※本書からの抜粋
目指すべき状態としては、営業利益ベースでのROAが資金の調達コスト(=WACC)よりも高く保つこと。
ROEを高めることは経営目標としては良いが、あくまで手段であり、手段の目的化はいけない。
ROEを高めることを目的化して、会社の長期的な安全性や成長を犠牲にするような施策を打つべきではない。
たとえば、財務レバレッジを過度にかけ、自己資本比率を下げるとか、過度にリストラをして利益率を確保するとか。
であるなら、
「良い商品やサービスを提供し、お客様に喜んでいただき、その対価を頂戴する」
か、
「同じ商品をより効率よく、低コストで提供できるようになる」
とうことが正しいROEの上げ方ということになり、
別にROEとかいう3文字英語を使わなくともそりゃそうだろうという話になるわけです。
ただ、当たり前に思える話も、どの観点からも当たり前だから当たり前なのであって、
ROEの観点からも「そりゃそうだ」という結論が導かれる意味は大きいと思うのです。
個人に置き換えると・・?
著者の小宮さんが経営コンサルとして重視しているのが、「一人あたりの付加価値額」だそうです。
これを個人にあてはめれば、当然「自分はどれくらいの付加価値を生み出しているのか?」ということになり、↓この記事で言っている話と全く同じなわけです。
個人の稼ぐ力って重要だなと思う次第です。