【書評】 『グローバル思考の英会話』
今日は『グローバル思考の英会話』を紹介します。
グローバル思考の英会話 イェール大学言語学博士 特別セミナー
- 作者: ウィリアム・A・ヴァンス,神田房枝(翻訳)
- 出版社/メーカー: ディーエイチシー
- 発売日: 2012/10/10
- メディア: 単行本
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この本は、ビジネスの場面で英語を日常的に使う機会がある人で、相手になかなか話の内容が伝わらないと思っている人におすすめです。
さて、「グローバル」ってなんだよ?っていう話ですが、「グローバル=アメリカ」ではなく、「グローバル=(文字通りの)全世界」となった時代の英会話という意味らしい。
つまり、単に英語ができるということだけでなく、
色々な文化的背景を持つ人に対し、「自分の考えを表明し、相手を理解できる能力」のことであり、「伝える」「つながる」ための英語が必要とされているということなのではないかと思います。
難易度が上がっているわけですね^^;
しかし、これは実際にコミュニケーションで成果を出さなければいけない人にとってはとても重要な考え方だと思います。
気になったポイント
それでは、この本の中で気になったポイントを列挙してみたいと思います。
・聞き手本位の話をしよう
まず、聞き手をちゃんと知ろうということです。相手は自分が思っているほど自分のことを考えてくれていません。
つまり、こちらから聞く人に歩み寄らないと相手はまともに聞いてくれないわけです。
Who are they?
Why are they interested?
What do the know?
How do they decide?
これらをきちんと理解すること。そして、相手がどういったことに興味を持つかに沿って話をするということが重要です。
・意味をピンポイントに描写する表現であいまいさを回避しよう
日本人は大まかな意味を使ってあいまいに表現してしまうケースが多いとか。
たとえば、ビジネスパーソンであれば、数字を説明する機会は結構多くあるはずです。
具体的には「○○の営業施策を打ったらお客様の反応がよく、受注が大きく増加する見込みです。」など。
この、「増える」「減る」を"go up" "go down"だけで説明していないか、(と胸に手を当てて考える)
たとえば、「激しく増加」したなら、 soar , skyrocket, surge といったような表現が使えます。
逆に「激しく減少」なら、plunge, plummet , tumble といったような表現。
こういった変化をピンポイントに説明する表現を覚えて使えるようにしておくと相手からの信頼も高まると思います。
・スピーキングスタイル・イントネーション
個人的な話ですが、「頑張って伝える時」の英語と「別にそうは思ってない時」の英語はかなり違うようです。
その証拠にこの前リラックスモードで英語をしゃべっていたら「日本語と英語の話す調子が変わらないね」って言われて、えっそれってどうなんだろう?と思ってしまいました。
でも、ちゃんと伝えないといけないときは話のトーンに気をつけるようにしています。
たしかに、日本語だとあまり強弱をつけることは少ないです。
一方、英語だと
"The number of user was increased 10% last month."
という文章なら、10% もしくは last month を強めるようなことします。(そうなっているはず・・)
こういったイントネーション・アクセント・発音・トーンといったようなことが、実際の英語でのコミュニケーションの場では絶対に必要になります。
・主語を "I" にしない
この部分は、「あーやっちゃってるなあ」と思ったのですが、"I"を使いすぎということです。
とくに、 "I think~" で始まる文章は日本人がよくやってしまう話し方だと思います。
僕は出来る限り避けるようにしていますが、ついやってしまうことも。
"I" を使いすぎるということは、自己中心的な人と見られねないリスクがあります。
たとえば、
I want you to go shopping with me.
みたいな文章があったとします。
これを、
It would be good if you come with me for shopping.
みたいに言い変えてみるとかなり印象が柔らかくなります。
"I" を使わない表現というのも学んで使いこなせるとかなり相手に配慮した大人の英語話者になれそうだと感じます。
・ポジティブな表現を使う (notを使わない)
この部分も、「あーやっちゃってるなあ」と思ったのですが、"not"を使いすぎということです。
できれば、not を使わずポジティブな表現に言い換えるようなことをした方がよい。
たとえば、
I cannot set the meeting on Monday because I have an another appointment.
というようなケース。
I have an appointment on Monday, so could you change the meeting schedule?
みたいに言い変えてみる。
これらは「知っているか知らないか」で相手の印象が大きく変わるものです。
ぜひ知識として覚えて、実践したいものです。日常的にビジネスシーンで英語を使う人はぜひ手にとって見てください。
また、これらは日本語の会話でもかなり使える技だったりします。ぜひ英語だけでなく、日々の話し方にも活用したいものです。