しおじのブログ

サッカーと旅行が好きな会社員のブログ

2016年5月に読んだ本の紹介

 

今月読んだ本の紹介です。

 

 道は開ける

道は開ける 文庫版

道は開ける 文庫版

 

 

即戦力がつく英文ライティング

即戦力がつく英文ライティング

即戦力がつく英文ライティング

 

 

 戦略プロフェッショナル

戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

 

 

 経営パワーの危機

経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

 

 

 V字回復の経営

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

 

 

ストーリーとしての競争戦略

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

 

 

 新入社員から社長まで ビジネスにいちばん使える会計の本

新入社員から社長まで ビジネスにいちばん使える会計の本

新入社員から社長まで ビジネスにいちばん使える会計の本

 

 

 「ハカる」力

「ハカる」力 ~プロフェッショナルをめざす人のための新ビジネス基礎力養成講座~

「ハカる」力 ~プロフェッショナルをめざす人のための新ビジネス基礎力養成講座~

 

 

 その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める (文春文庫)

その数学が戦略を決める (文春文庫)

 

 

 

参考: 

[2016年1月に読んだ本]

[2016年2月に読んだ本]

[2016年3月に読んだ本]

[2016年4月に読んだ本]

 

2016年ここまで 53冊

 

大統領選挙がまもなく!なフィリピンを分析してみる。

フィリピンでは大統領選挙が5月9日におこなわれる。
(Philippine presidential election 2016)


最近、街はかなり選挙モードになってきた。
たとえば、セブンイレブンでドリンクを入れられるカップ(セブンカフェみたいなもの)に大統領候補の顔がプリントされていたり・・

 

 

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フィリピンの選挙の特徴として、5年に1回大統領だけでなく、副大統領・上下院議員の一部、市長・市議会議員などほぼ全ての政治家が同時に選挙を行うという仕組みになっている。


日本の選挙のように投票率が低くなることは考えにくいが、どの候補がどこの選挙に立候補しているのかわからなくならないのか?すごく不思議・・


大統領候補のポー氏のポスターが多いが、しれっと違う人が入ってる

 

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さて、そんな大統領選挙間近な今のフィリピンを分析してみます。

使うのはグローバルパースペクティブ的に、「カントリーアナリシス」と「ACL」。

 

 

【カントリーアナリシスフレームワーク】


[Performance]


GDP:3,011億ドル   2015年のGDP成長率は5.8%。

現在の大統領になってからの成長率が年平均で6%以上と、かなり高い成長率を維持できている。

GDPの中身は7割が個人消費によって支えられており、投資が少ない。また、貯蓄も少ない。要は稼いですぐ使っちゃっているということ。

1人あたりGDP: 約3,000ドル。マレーシアよりも少なく、ベトナムよりも高い。

 


失業率:7%前後

ASEANの諸外国と比べても失業率が高いのもフィリピンの特徴。

 


経常収支: この国の経常収支は黒字で推移している。

牽引しているのは2点。

BPO産業とOFW(オーバーシーズフィリピーノワーカー)と呼ばれる出稼ぎ労働者。

OFWの送金額は見逃せず、名目GDPのほぼ1割にあたる額で、OFWの人数も1,000万人を超え、国民の1割が海外で稼いでいるということになる。
(なお、海外にいる日本人は国民の1%だったはず)

 


貧富の差 ジニ係数 40% = 0.4を超えるレベル
この数字からわかるとおり、貧富の差が大きいのがこの国の特徴。

とくに中間層と呼ばれる人の数が少なく、貧困層と富裕層の差が大きい。


第2次産業の割合がASEANの諸外国と比べ低いのも特徴。

第2次産業を経ずに第3次産業に移行してしまっている様子がわかる。

 

 

[Strategy]


現在の政権の方向性は、
・前提として汚職撲滅路線。汚職撲滅によって政治の安定をもたらす。
・経済的には?? 一応国外から投資を引きこもうとしている様子は見られる。
・安全保障的には中国と対峙する方向性。結果的にアメリカや日本と近くなる。

 


[Context]


・ASEANでは唯一のキリスト教国家(カトリック)。
・人口が1億人を超え、平均年齢が23歳という非常に若い国。
・英語がかなり通じるなど、文化的にアメリカの影響を強く受けている国である。
 しかし、南部にはイスラム圏が存在する。イスラム過激派組織が台頭している状況。

 


[So What?]


ここ数年大幅な経済成長を遂げているフィリピンだが、ASEANの他の国と比べてその中身は大きく異なる。 他の国と全く異なるのが、経常収支のバランスである。


タイやベトナムは輸出で稼ぐ構造になっている一方、フィリピンはサービス業の輸出で稼いでいる。

 

フィリピンは貿易では赤字になっているものの、サービス(つまりBPO産業)と国外のOFWからの国際送金によって成り立っている。

 

こういったサービス業は一般にある程度の教育を受けた人に限られる傾向があり、貧富の差拡大を助長していると考える。


今後も安定的に経済成長をするためには、FDIを引き込み、製造業の誘致が必要ではないかと考えられる。

 

 

【ACL】


独立性(Autonomy)
現政権は支持率が高く独立性は比較的高かったと思われるが、もともと独立性は高くないと考える。


人口の大半を占める貧困層と少数の富裕層という構造から、貧困層向けの人気取り的な施策に走る候補がいる(模様)



キャパシティ(Capacity)
国家のキャパシティにおいて問題なのは汚職が蔓延していること。

 

汚職は上から下まで国のいたるところでおきており、徴税機能・警察機能などにボトルネックが生じている(はず)。


他にも治安が悪い・基礎的な教育サービスといった面からキャパシティは決して高くないと考える。



正当性(Legitimacy)


(一応)民主的な手続きで大統領が選出されており、正当性はある。

しかしながら選挙が正当に行われているかというと疑問が残る。

 

現在の政権は高い支持率があるものの、新しい大統領にそれが引き継がれるわけではなく、基本的に正当性のレベルは高くないと考えられる。

 


[So What?]


選挙で選ばれた大統領が政治を行う仕組み。

しかしながら、汚職がこの国最大の問題だと言え、大統領は汚職撲滅が大きな仕事になる。 そのため、クリーンさが政治家候補に求められやすい。

 

しかし、クリーン=政治から距離があるということで、そういう人がいきなり成果を出すことが難しい。このあたりのジレンマが存在すると思われる。

 

 


■フィリピンの問題点は?

 

1:汚職を撲滅できるか?


現大統領の大きな成果が汚職撲滅で、国民からの支持率も高い状態がずっと続いていた。

 

しかし、フィリピンは再選禁止のため新しい大統領が誕生することになる。 この新しい大統領が今の方向性を継続できるのかどうかがこの国の次の6年間を大きく左右すると考える。

 

仮に再び汚職が多い国に戻ってしまった場合、海外からの投資が減り国の経済全体に悪影響が大きいと思われる。



2:第三次産業に偏りすぎ・直接投資(FDI)が少ない


BPO産業や英語が話せる人材が多いということを全面に押し出されることが多いフィリピンであるが、 ITやBPO産業はある程度高学歴な人材が求められるという背景がある。


逆にいうと、教育の機会に恵まれない場合、職につくのが難しいということにつながる。

 

その点、製造業が強いタイやベトナムとは貧富の差において大差がついてしまう。

 

日本の観点から、英語人材が多いとかコールセンター業務が多いと言われるフィリピンだが、それが本当にこの国のためになっているのかという点は正直疑問に感じざるを得ない。


本筋から言えば、もっと製造業・特に自動車産業が伸びないといけない。

 

こうしないといつまでも失業率が下がらず、 格差が固定化する。結局第三次産業を増やしてもダメで製造業をどうするかを国として考えなければいけない。


実際、現政権は一応その方向で、日本の自動車メーカーでは最近三菱がフィリピンでの増産を発表している。

 


3:インフラ整備


基礎的なインフラ整備にも問題がある。

例えば空港。マニラ空港のキャパシティはすでに限界で遅延が多発している。

(というか、ちゃんと定時に出発できたことがここ最近ない)

 

それ にも関わらず拡張の具体的な予定は全く無い。

 

また、道路・通信・鉄道・上下水道・ごみ処理など伸び続ける人口にインフラ整備が全然追いついていない。

 

とくにマニラの交通渋滞は世界最悪レベルとよく言われるが、よくなる気配は全く無い。


このままではインフラの未熟さが経済成長のボトルネックになる日が間違いなく訪れるだろう。


インフラを整備しように投資の元手がない、インフラ整備をする以上に人口が増えてしまい追いつかないという状態が発生していると考える。

次の大統領にはこのあたりの問題をなんとかしてほしいと思うが・・・難しいかな。

 


■最後に・・


この国は民主主義の国であり、大統領は直接選挙によって決まる。ただ、この国の大統領選挙の様子を見ている限り、ACLの低さが気になる。


僕個人としてどの候補がどうとか言うつもりはないが、日本以上にポピュリズム的な政治に走りそうで非常に危うい。

正直この段階の国が民主主義を採用し続けるのが正しいのか?開発独裁的なやり方の方がいいのではないか?と思わないでもない。

と思いながら、いつまでも整備されないマニラの道路を今日も使うのでした。

 


[出展]
三菱UFJリサーチコンサルティング

 フィリピン経済の現状と今後の展望

 

日経電子版
   フィリピンの15年成長率5.8% 中国減速もサービス産業発展

   フィリピン人の出稼ぎ 送金額、GDPの1割

三菱自動車プレスリリース

   フィリピン 自動車産業育成政策「CARS Program」への参加表明について

2016年4月に読んだ本の紹介

今月読んだ本の一覧です。数としては8冊ですが、ページ数が多いものもあるので、分量はいつもどおりくらいでしょうか。

 

 影響力の武器

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

ちゃんと最後まで読み切れていなかった「影響力の武器」

これは本当に勉強になります。

 

 ビジネスロードテスト

ビジネスロードテスト 新規事業を成功に導く7つの条件

ビジネスロードテスト 新規事業を成功に導く7つの条件

  • 作者: ジョン・W・ムリンズ,秦孝昭,出口彰浩,兎耳山晋
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本
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 日本人の働き方の9割がヤバイ件について

日本人の働き方の9割がヤバい件について

日本人の働き方の9割がヤバい件について

 

 

 日本を動かす「100の行動」

日本を動かす「100の行動」

日本を動かす「100の行動」

 

 

 ディズニーの最強マニュアル

ディズニーの最強マニュアル

ディズニーの最強マニュアル

 

 

 経営戦略全史

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

 

 

 図解地政学入門

世界のニュースがわかる! 図解地政学入門

世界のニュースがわかる! 図解地政学入門

 

 

 企業参謀

企業参謀 (講談社文庫)

企業参謀 (講談社文庫)

 

 

参考: 

[2016年1月に読んだ本]

[2016年2月に読んだ本]

[2016年3月に読んだ本]

 

2016年ここまで40冊

 

ANAはマニラ-成田線を1往復増やすべき!

 

この前、アメリカ(ニューヨーク)に旅行していたフィリピン人のスタッフとランチをしていたのですが、「ニューヨークってマニラからどう行くの?」(直行便あるの?)っていう話になりました。

 

で、答えとしては、「香港経由(キャセイパシフィック)」とのこと。

たまに成田経由もあるけど~的な感じ。

 

フィリピンだと「香港経由」の存在感って大きいんですよね。

 

キャセイパシフィックのマニラ-香港はこんな感じ。

 

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 (キャセイパシフィックのWebサイトのキャプチャ。検索日に意味はありません)

 

1日6往復!(復路はコードシェア便も混じってるから見切れてる・・)

6往復って東京-高松@ANAと同じですよ!(ってすごさが伝わりづらいか・・)

 

一方、日本代表?ということで、ANAはこちら

f:id:hishionoya:20160422142110p:plain

(ANAのWebサイトのキャプチャ)

今適当に調べた検索結果です。 1日2往復ですね。

 

ANAの羽田-マニラと成田-マニラを両方とも頻繁に利用している者として、両者の客層は全然違うのに驚きます。

日本人:外国人比率が7:3(羽田)・3:7(成田)みたいになっている。

しかも、最近成田の方が高い!羽田-マニラの方が安く買えることが増えてる気がする。

 

これは明らかに訪日の外国人だけでは説明がつかず、東南アジア-アメリカ間のお客さんが乗っているっていうことだと思うんですよね。

 

この、東南アジア-アメリカ間をもっともつかんでいるのがキャセイなのではないかと。

この便数の差はANAとキャセイのアメリカ方面-フィリピンのお客さんを獲得できているかどうかの差ではないかと。

(香港に住んでいるフィリピン人の数というのと、ヨーロッパ中国など他方面の乗り継ぎ客も取れるという面もあるけど。)

 

ANAは「首都圏デュアルハブ」という構想を掲げているわけだし、もっと成田経由米国行きにフィリピンからの搭乗者を乗せられるのではないかと!

 

www.anahd.co.jp

 

具体的には深夜1時マニラ発朝6時半成田着→午前中のニューヨーク便とかヒューストン便とかありえると思うんですけど、どうですかね、ANAさん。

 

グロービス経営大学院卒業にあたって

 
2013年から単科生として1年間、大学院生として2年間過ごしてきたグロービス経営大学院の卒業が確定しました。
 
卒業にあたってこの3年間で変わったこと、成長したことをあげるのはキリがないのですが、大枠で6つ挙げてみたいと思います。(多いね。。でもまとめられなかったので。)
 
 
1:企業経営とはどういうものか全体像が頭の中に入った。これにより、今何が必要か、何を考えなければいけないかに迷わなくなった。
 
1つ目かつ、最大のポイントとして、「何を考えるべきか、何をやるべきか迷わなくなった」という点が挙げられます。
 
いわゆる「経営の定石」を頭に入れておくのは思った以上に意味もあることでした。
 
この3年間の学習時間はどれだけ少なく見積もっても2,000時間程度まではいっているようです。
 
この時間のかけ方は誇れることだし、これによって企業経営でやらなければいけないことは何か、今何が必要かを自分の頭で考えられるようになったのは非常に大きなことだと思っています。
 
もちろん細かいレベルでの悩みはあるわけですが、方向感がわからずどうしたらいいか右往左往するようなことがなくなったと思います。
 
 
2:自分の軸が決まり迷わなくなった
 
自分は何を成し遂げたいのかということをトコトン考えさせられるのもグロービスの特徴と言えます。
 
考える中で自分の軸と思える方向性が定まり、自分のキャリアの大きな方向性で迷うことがなくなりました。
  
 
3:素晴らしい仲間との出会いがあった
 
素晴らしい仲間との出会いは外せません。
 いろんな業種の、いろいろな職種の人とつながりができるというのは国内最大級のビジネススクールだからできること。
 
一緒に学ばせていただいた皆様には感謝してもしきれません。
 
 
4:自分ができないことを知り、謙虚さを覚えた
 
自分一人ではできないことが多いことを知りました。
そしてチームでやり遂げることの大きさも。
 
それにより、他者に対する謙虚さが身についたと思います。
まだまだかもしれませんが、以前と比べれば大違いです。
 
以前は自分で何でもやってしまいがちで、「自分でやった方が早い病」だったのですが、それがなくなったと思います。
 
 
5:自己肯定感が増した
 
この点も大きいのではないかと思います。
今まで何かをきちんと成し遂げたぞ!ということがなかったのですが、ここまでできるのだから(極端に言えば)今後やろうと思えばなんでもできると思えるようになりました。
 
自分の今後の方向性に自分自身が楽しみになるような感覚です。
 
 
6:日本企業のこれまでの歩みを知り、日本企業への、過去の先人たちへの尊敬の念を覚えた
 
これは入学時点で全く予期していなかったことですが、図らずも日本企業のこれまでの歩みと日本の歴史・歩みを学ぶことになりました。
 
特に最後の3ヶ月は自動車業界について学ぶことが多く、トヨタ自動車という会社(とその現場)について学ばせていただきました。
 
日本経済や日本社会をこれまで作ってきた方々への尊敬の念を自然と覚えるようになりました。
 
 
まとめ
一言でまとめるのは本当に難しいのですが、数年前とは全く別の人間になったと言ってもいいほど考え方の大転換があったと思います。
 
そして、このままのスピードで進んでいければどこまででもいける・なんでもできると(結構本気で)思ったりしています。 
 
今後世界で活躍することが最も大きな恩返しだと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。